前のコメントで2chのあるスレが、中学の読書感想会のようだと感じた、と書いた。そのあと、まさかこんなところまで、2ちゃんねらーが攻撃してくるんぢゃないだろうな、とちょっとびびってきた。テロリストへの怖れにちかい。しかしそれは忘れ、さらに本当に中学の読書感想会の様子を懐かしく思い出した。
ウチの母校では月1だったか、課題本が決められ、感想文を書かされた。そしてセンセーが優秀な(?)感想文をピックアップし、本人に発表させ、今度はその感想にたいして、賛同するだの、ちょっと違うだの、残りの生徒たちが議論する。大半が褒めたたえ、ごく一部の変わり者(私とか)が時々異議を唱えたり、視点を変えさせたり、あまあまの議論に水をさして、少々場を乱して興奮する。あるいは皆をうならせてヒーローになることを目指したりする。無論敗北して、こっぱずかしい目にもあう。皆同じ教室にいて、顔出しで発言しているので、破壊的発言とか荒らしはできない。時間制限もあったな。ここでこれを今から言い出すと昼休みに食い込んじゃうからやめよう、とかの計算も皆する。その後の学校生活や友人関係も気にしながら結局は穏便に1時間が過ぎていく。そして、最後は神であるセンセーがのそーりと立ち上がり、えらく単純に結論をまとめてしまう。
2chの「青い鳥」を読んだとき、2chらしからぬその整然さ加減(1999年当時はまだそうだったのか?)とあまーい賛同の空気感にその読書感想会の気持ち悪さを思い出してしまった、という話。
2chはそうではないはず。
匿名、エチケットなし、時間制限なし、神不在、乗り降り自由の、バトルロイヤル会場なわけだ。ROMはとことん流血真剣勝負を期待する。そういう場がリアルでもネット上でもこれまでなかったから、大勢集まるんではないかと。
いまや電車男の枕詞になっている、「いまさら」であるが、いまさら電車男スレと比較すると、電車男をとりまくおまいらは電車男の野望があまりに崇高で、満場一致で応援する空気が張り詰めたため、あらゆる角度からの援護射撃をし、そのやり取りがROMには極めて自然にしかし新鮮にさわやかに映るため、スポコンドラマのような感動を引き起こすのだろう。そしてさらにこれが「おまいら」が匿名多数であり、2ヶ月にわたるリアルタイムドキュメンタリーであったことが、過去ログとなっても存在を忘れさせない著作物として残る理由だ。バトルロイヤルのリングで疲れ恋に縁のない毒男たちが傷を舐めあい生存者を期待する場所には、そのような現象が起きる素地ができていた。電車男が、痴漢電車で女性たちのヒーローになりえたのと同じように、彼は「男達が後ろから撃たれるスレ 衛生兵を呼べ」の中でも男(女も多いようだが)たちのヒーローになりえたのだ。彼らはとにかく後ろから撃ってくれる人を待っていたのだから。
で、読書感想会にもどるが、前にも言ったがこのサイトとつまらない読書感想会の共通点がひとつある。途中で枠外からコメントするセンセーだ。長いスレの整理はありがたいのだが、教壇上から語るような余計なコメントはいらん。書記に徹したほうがよい。
父兄参観しているROMのわしらは、子供たちの真実の姿が見たいだけなのじゃ。
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