今日は会社で午後ずーっとWebを見ていた。仕事は電話でしかできなかった。目が疲れた。疲れ目でもあるが、じんわり涙や笑い涙も出ちゃったりして。40男が恥ずかしい。
きっかけは先日から愛用のGoogleニュースで見かけた「Yahoo,Allaboutに資本参加」という記事から、Allaboutは今はどのようになっておるのか、とAllaboutに行ってみて、そこでたまたま笑えるサイト紹介(このサイトのガイドさんの写真も確かに笑える)の「意外と笑える迷惑メール」という記事を読み、その中で私には初耳の「電車男」という言葉を知り、根性入れて、「男達が後ろから撃たれるスレ 衛生兵を呼べ」を読破してしまった。何しろ日本では4月ころから相当話題になっていたらしい電車男を知らず(今現在Googleでは31000件以上拾ってくる)、それが先週書籍化まですることになった、ということが判り、絶対読むと感動する、という周辺情報に挑む形で、泣けるもんか、と挑戦して、見事敗北して目が痛い40男がここに居た。たしかに日本に居ないと口コミが激減するので、この手の流行情報には疎くなってしまいますな。やはり、噂の宝庫というか発信源の2chの定期的チェックは海外居住の日本人には必要悪なのかもしれない。嫌いなんだけど。
で、涙目になりながら、電車男の日本での人気爆発の理由について考えた。
1)シンデレラストーリーの実話であること。(万人に受けるプロットである)
2)主人公男(電車男)が低姿勢のがんばりやであること。(主人公が母性本能を刺激)
3)無数の仲間たちの励ましやひやかしが見事であること。(脇役たちが絶妙にうまい)
4)主人公女(エルメス)が人もうらやむいい女であると想像させられること。(ゴールの共有)
5)分単位のリアルタイム性があること(臨場感、緊迫感)
6)リアルタイムでありながら2ヶ月間のドキュメンタリー記録でもあること。(新しい娯楽形態)
7)すべてが会話で成り立っていること(新しい文学手法)
8)主人公以外の発言者はすべて匿名であること(新鮮なコミュニケーション手法)
9)一個人の書いた文章でなく無数の匿名ヲタクの共同著作であること(新しい芸術の予感)
10)この感動スレがあろうことにえげつない2chで完結できた事実(主人公の求心力の奇跡)
今のテレビドラマでは「ウォーターボーイズ2」に似たものを感じる。これまでダメダメだった男たちが仲間の励ましとかつてない自らの努力によって栄光にたどり着くコミカル物語。この程度の少年向けドラマですら感動シーンにはウルッてしまう40男だから、電車男の仲間「おまいら」の反応には本当に泣けるのよ。
このサイトを編集した「中の人」の途中コメントやフラッシュにはおせっかいババァの匂いを感じるのだが、余計な荒しの発言を抜いたり整理してくれたおかげで、通常の2chの排他的雰囲気がそぎ落とされ、きわめて読みやすくなっているのだろうから感謝すべきであろう。書籍化まではやりすぎかとは思うが、スレのまま印刷物にするのなら、この著作物の魅力は保てるだろう。ただ、映画化は考えてはいけない。よほど天才的な実験映画監督が撮らない限り、匿名のおまいらの発言は映像化は無理だ。2chで血祭りにあうだけだ。本までで留めておくべきだね。
キタキタキタ----------!がまだ脳裏から消えない40男は寝るとする。
4441 Well put!
投稿情報: payday loan | 2004-12-20 10:05
minamiさんが紹介してくれたCNETの梅田さんのページに電車男と並んで出てくる「青い鳥」ってなんだ、これも泣けるのかと思って、探してみたがこれのことだった。
http://mentai.2ch.net/mukashi/dame/kako/944/944485995.html
うーむ、これは響かないぞ、なんだか中学校の読書感想会の要で文学の可能性は残念ながら感じない。むしろ、
http://shuxx.hp.infoseek.co.jp/bluebird01.swf
こちらのほうが多少なりとも芸術の可能性は感じるな。
匿名で人々が落としていったものを編集して付加価値をつけて自分の作品にする、という創作形態ということで。出来とか評価はこの際不問ですが。しかし電車男もそうでしたが、2chの人気スレをFlashにする、というパターンは結構流行った、あるいはまだ流行っているのでしょうか? スレ→フラッシュ→出版、の出世魚か。
投稿情報: ttokumo | 2004-09-09 03:24
いつもminamiさん、素早くコメントいただいてありがとうございます。CNET JAPANを読むうちに私もアンテナを使うことにしました。でも、登録したいサイトが見当たらない…。名前が何かしら懐かしいのでBloglinerを試してみようかと思ったのですが、そこまでするほど量が読めないだろうから、取り急ぎはてなアンテナからはじめてみます。登録サイトはB-log Cabinと、CNET J BLOGと...でも、どこも毎日更新に近いから意味ないじゃーん
投稿情報: ttokumo | 2004-09-09 01:22
Tokumo さんの冷静な考察、見事です。確かに、映像化してはいけないのでしょうね.....でも誰かやりそうだな。
CNET Japan ブログの梅田 望夫さんまで、御夫婦ではまってますね。社会現象でした。
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001285.html
投稿情報: minami | 2004-09-08 06:12