タイでの観光バス事故で日本人が怪我をしたそうだ。まず、この記事を読んでいただきたい。
そして、次はその1時間後に同じサイトで書き換えられたこの記事と読み比べてほしい。
事故にあわれた方々はお気の毒だ。死亡事故でなかったのが不幸中の幸いだ。
それはそれとして、私はどうもこの記事の見出しが腑に落ちない。これまであまり「秋田の会社員が」という出身地限定で海外の事故を伝える見出しを見た記憶がない。「日本人が」とか「邦人男性観光客が」くらいが普通でなかろうか。共同通信のライターの気持ちはわかる。乗っていたツアー客11人の全員が秋田県の会社員グループだったので、負傷者不明の現段階でも「秋田の会社員男性」であることは確定的なのだから、少しでも早くそれを秋田の人々に伝えたい。あなたのだんなやお隣さんかもしれませんよ、秋田の人よ、ということか。
一応、断言しておくと私は秋田にも日経新聞にも何の特別な感情はない。恐縮だがたまたま報道記事の見出しについて考えるに当たり、例にさせていただいているだけだ。
ここで、例えば乗っている人が東京のツアーグループだった場合「東京の会社員が」と書くだろうか。また、例えば、乗っている人が芸能人のグループだった場合、「邦人が」と書くだろうか。前者は「邦人が」で後者は「日本の芸能人グループが」とおそらく書かれるだろう。つまり、限定数の人々の場合、珍しいと思える場合に、「邦人が、日本人が」が「XXの日本人が」に変わる理論だと思う。で、秋田の皆さん、秋田の会社員は珍しいっすか、見出しに出すほど特別な存在っすか。たくさんいらっしゃるじゃないですか。出身県を見出しに出されても誰も、え、まさかあの人か、と思いつくほど範囲は狭くないでしょう。ねぇ。
ここは初出の「邦人観光客が」のままでいいんじゃないですかね。効果もなく中途半端な見出しである気がしてならない。
ところで、この記事を見て少し前の堂本剛主演のホームドラマ「ホームドラマ」を思い出してしまった人は少なくないだろうね。エジプトの観光バスほど事故は起こさないけれど、タイのバス運転手の運転の粗さ、恐さはハンバではないですから、皆さんもご来泰時にはお気をつけください。
被害者、関係者、そして秋田の皆さん、例に取り上げてすいませんでした。
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