唐突だがけして新しくない話。
少し前にバンコクに日本の和食チェーン店の「大戸屋」がオープンした。海外進出1号店とのことだ。もともと大戸屋は鶏肉など多くの食材をタイから輸入して使っており、産地での出店は食材が新鮮な分、日本よりおいしいのだ、とか自己主張しているらしい。メニューは一品モノ以外は日本と同じだ。
先月、家族で行ってみたが、オープンして間もない土曜日夜だったので、1時間も待たされた。大戸屋に1時間並ぶ駐在員家族の涙ぐましい気合も捨てたものではないが、それだけ日本人には期待が大きいのだ。本場の日本の味が食べたい、という切実な願いだ。
1時間待たされて、客は誰も疲れ気味だったが、やはり日本と同様なメニューを見て、しかも驚くことに厨房には4人の日本人調理師が(みな結構ベテランっぽい)忙しそうに慣れた手つきで黙々と仕事をしていた。タイ人の見習いとマンツーマン体制に近い。フロアマネージャーも日本人のトロそうなおっさん、ウェイトレスも若い日本人、と立ち上がり期間従業員教育真っ最中の様相を丸出しでがんばっていた。
気になるお味は、日本と同じ。さらに気になるお値段も日本と同じくらい(つまりタイにしてみれば高いが、他の日本メシ屋より若干安い)。 店の内装も日本と同等であるが、タイに置くと結構おしゃれでモダン、少し高級感すら出ている感じ。
よって、総合判定は「合格」。フロアマネージャーのおっさんが溢れた客におののいて裁ききれてなかった点は失格だが、逆に1時間おっさんの右往左往ぶりを見ているだけで暇がつぶれた、というのが救いか。
かつて赤坂のオフィスで働いていたときは残業メシの定番としてお世話になった大戸屋。がんばって2-3店舗バンコクに作って客の集中を緩和して欲しい。それと、厨房のおじいさんはかわいそうなので、早く技術指導を完了して、現地人に引き継いで帰任されるのがよいでしょう。
そして、フロアマネージャーのおっさん(あるいは店長かも?)、もし日本からの派遣員であるのなら、大戸屋の世界進出の尖兵として世界各地で右往左往し続けてほしいものだ。
Mens sana in corpore sano
投稿情報: Ringtoner_alqb | 2006-06-16 12:22