12月になると常夏の国でもイベントが連なる。今日は久々に息子ネタでお茶を濁そう。
毎年12月頭に現国王の誕生日があり、私の出身大学のタイ在住者の同窓会パーティーが毎年あり、それが毎年通称メナム川のディナークルーズと決まっており、毎年家族でそれに出ている。毎年同じ船で同じメニューの食事をし、毎年花火が上がりそれを見ながら、毎年同じ同窓会会長のご挨拶と毎年同じビンゴ大会があり、毎年ビンゴが盛り上がったところで岸に近づき、慌てて商品を駆け込み大放出する。私も毎年同じドラえもんカレンダーを商品に出し、参加賞には毎年同じ芳香剤をお土産にもらう。
今年は少し異変があった。ビンゴの最高人気賞品は日本メーカーの携帯電話1台だった。
数知れずある商品を放出する中、たまたまその目玉賞品のところで、ウチのカーちゃんがビンゴになった。4人が同時ビンゴだった。息子に、言って来い!と指令をだした。子供を出して温情票を狙ったのだが、やはり子供に携帯はちょっとねぇ、という空気も漂い特別優遇策はなく、じゃんけんになった。いつもウチの息子はほとんどグーしか出さない。競合3人の酒と気合で血走った目と取り巻く観客のものすごいプレッシャーの中、息子は順調にグーを出し続けたのだが、偶然にも最後の2人にまで残ってしまった。相手には息子のグー攻撃に気づくころである。決勝戦、最初はグー、ジャンケン・グー、アイコでグー、アイコでチョキ!勝った!ウチの息子を侮って、しかもパーで勝とうと企てた相手の大人をコケにするように最後のチョキがVサインに変わった。こいつはきっと勝負強い男になる、と親は喜んだ。
しかし、その後、少し後悔している。どうすれば、息子からその賞品の携帯電話をカーちゃんに譲ってもらえるか、その打つ手がないのである。いまだに、彼が生まれて初めて自らの手で勝ち取った携帯電話は箱に入ったまま、静かに眠っている。
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