仕事がらみだが、またモーターショーが始まった。同じバンコクで年に二回もある。まっ、商売上は悪くない話かもしれないが、ちょっと疲れますね。自動車メーカーもできれば1回にしてほしいと願っているのだが、地元の2大自動車雑誌社がそれぞれオーガナイザーとして対抗して開催するのでそうなってしまっている。
それはそれとして、今日は自動車ネタ。
日本ではM自動車のブランドイメージが低下しているが、不思議なことに今のタイではM自動車のイメージは安泰でH自動車やT自動車が一部消費者から攻撃されてブランドイメージを少々おとしめられている。
発端は今年の1月、あるH自動車ユーザーが買った新車の不具合とそれに対するH自動車の対応がけしからん、と消費者保護団体の助けを借りて報道陣の前で車叩き割りのパフォーマンスをして話題になり、それに屈してH自動車が購入価格でその車を買い取ってしまったものだからさらにそれで話題が大きくなり、ならばワレもワレもと二匹目のどじょう狙いが連発しているのだ。
モーターショーのプレス発表会場ではT自動車がターゲットになり、日本大使館前の抗議行動ではT社、N社、M社(広島の会社)がヤリ玉にあげられた。
不思議なことに日本で悲しい目にあっているM自動車は、タイでは欠陥だの、消費者軽視だのと騒がれていない。ユーザー数が少ないからこの手の便乗者も出てきにくい、ということかといえばそうでもない。N社に肉薄してNo.3シェアを狙うくらいなので、広島の会社よりはユーザーは多い。では、タイでは他社に比べてM社のアフターサービスがよいのかというとそうでもない。
ということで、結論としては自動車会社の品質やサービスは各社さほど大差ない。欠陥や失敗、そして隠匿なども各社同レベルであるといえる。ただ、たまたま日本ではM社が最初に話題に上り、メディアが拍車をかけた、タイではたまたまH社が最初に標的になり、メディアが増幅し、両国では違うメーカーがイメージを落とすことになってしまった、というだけなのだ。TもHもNもMもその他も品質やサービスは変わらないよ、と両国民に強く訴えたいぞ。むしろ、消費者はそういう一時期の風潮や雰囲気に影響されずに賢いチョイスをしてほしいものだぞ、日本の皆さん。ちょっとした不具合を派手にアピールして、新車と交換してもらおうというのも愚の骨頂だぞ、タイの皆さん。