行ってきました、メーソット。
うちのお手伝いさん、ミッキーの結婚式に出てきました。前述のとおりカレン族の出身者どうしの結婚なので、いったいいかなる形のものなのか、興味津々で行きました。YS-11 の国内線でバンコクから1時間ちょっと、ミャンマー国境の町ですが、大した距離ではありません。飛行機の便さえあれば朝行って夕方帰る日帰りもできるはずですが、土日はともに1便づつしかなく、土曜早朝にでて日曜夕方に帰る、1泊旅行でした。
さて、あさ10時からの彼女の結婚式、キリスト教会で挙げると聞いていましたが、空港から迎えのミッキー友人の車に乗って、道に迷いながらも教会につき、最前列の席に案内されました。教会のつくりは大体同じですね。ステンドグラスもありますが、マリア様の像は見当たりませんでした。ただ、ひょっとすると、正面にまるで田舎ホテルのパーティーのようにタイ語で「祝結婚!ミッキー&ナントカ」と切文字発泡スチロールを張ったバックドロップがあったので、それの後ろにマリア様は隠れていたのかもしれません。
驚きは花嫁2名、花婿2名が同時にじゃじゃーんと出てきて、ひな壇にこちらに向かって4名、さらに友人代表のような女性、天使のような子供3人がずらっと並んで座ったことです。
衣装は日本と変わらずウエディングドレス(2名)と蝶ネクタイの黒礼服(2名)でした。最初はダブル結婚式だったのか、と思いましたが、写真のように男男女女で並んでいるので、ミッキーの隣の男が彼女の夫なのか、そうするとミッキー夫婦に引き裂かれたもう一組の新郎新婦は間の二人に引き裂かれているのか、あるいは新郎AB新婦ABと並んでいるのか、それも妙だ、と思いました。しかし、登場の際はミッキーだけが親父らしい男と腕を組んで出てきたことを思い返せば、やはり両脇の新郎新婦は偽物なのだ、あるいは、かーちゃんは、きっと本物の2人のどちらが死んだら次にそれぞれの偽物が引き継いで変わりにくるのにちがいない、とかわけのわからんことを言っていました。仲人なのか、いや、年恰好が同じすぎる、しかもなぜ仲人が花嫁と同じウェディングドレスを着るのだ?やはり、ただの引き立て役なのだ、見た目でも、大差はないが過半数の人が主役をちゃんと引き立てていると思うに違いない程度の微妙なルックスの差はあったと思います。
そして前列の脇に並んでいた、会場案内係だと思っていた開襟シャツのお兄さんが司会をはじめ、隣の親戚のおじさんかと思ったネクタイの人がどうも牧師であり、近所のおばさんだと思っていたおばさんが、どうも説教師であったらしく、聖書のようなものを開きながら、順番に結構長いお話をしていました。さらに、近所のガキだとおもっていた少年たちが、エレキギターバンドとなり、讃美歌やカレン語のポップソングを歌い始めました。
一応、誤解なきよう。これは披露宴ではなく結婚式です。指輪の交換や、聖水を親戚のおじさん風牧師がばら撒いたり、誓約書にサインしたりするのです。しかしその直後にエレキ少年がじゃじゃーんとやるのです。ドラムセットもセッティングされていたのですが、誰も叩かず、教会悪ガキバンドはツインギター、ベース、キーボード、賛美歌ボーカル10名ほどの構成でした。ドラマーはどうしたのだろう?
と思いつつ宴は、いや式は滞りなく終わり、退場、天使の子供3人が花を撒き散らしつつ、出口に向かい、出口に整列し、出席者は彼らの写真を取ったりして式終了。教会の庭に張ったテントの下に並んだテーブルで、普通のタイ飯が2-3皿出てきて、披露宴に突入。自由席なのですが、私らが座ったところに先ほどのネクタイの牧師が同席して、英語で話しかけてきました。やはり、大正解。この牧師さんは実は花婿のおじさんでもあるのだそうでした。親戚のおっさん兼牧師でした。
この披露宴(昼食会?)には余興もBGMも何もなく、ただ、屋台の食堂のように、みなそれぞればらばらに食べて終わったら立ち去る、というきわめて実務的な昼食会でした。われ等が食べ終わった頃ミッキーがもう着替えてから挨拶に来てくれました。そして、そのまま、ホテルに送りましょう、という。じゃぁ、送ってくれたらもう後は適当に観光して帰るからね、おめでとう、バイバイ。早くバンコクに帰ってきてね、とホテルで別れました。
なんだか、何気なく終わったけれど、とにかく、ミッキーおめでとう。幸せになって、早くバンコクに帰ってください。(ちなみにその後、2度ほど仕事復帰の連絡があり、まだミッキーは帰ってきていない。このまま来ないのか、寿退社なのか、ミッキー!頼むよ、帰ってきてくれ。