前回は拙宅の間取りをご紹介したので、今日はちょっと部屋のデコレーションについて。
私が幼少の頃、親が家を建て替えた際、初めてうちに応接間という空間が出現した。狭い家で客もほとんどこないのに、なぜか親父は「応接間を持つのがとーちゃんの夢だったのだよ。」と言わんばかりに応接間にこだわっていたのが不思議だった。
ソファー4点セットとサイドボードとかいう、チンケな家具が通り抜けるのに苦労するほど窮屈に押し込まれていた。かくして、出来立ての応接間の小さな飾りだなスペースは最初は空っぽだったが、誰かが旅行に行くたびに、ヒグマの置物とか、東京タワーの文鎮とか、「根性」と書かれた室戸岬のお皿(なんじゃそりゃ)とか、くだらないものでいつのまにかいっぱいになり、誰の心も揺り動かさないその置物たちは、悲しくほこりをかぶっていった。同時に、親父の応接間に対する執着も消えていき、民芸品購入頻度も少なくなっていった。
当時私は子供心に「ボクもいつかエラくなったら応接間の飾り棚に文鎮よりもっとかっこいいものを飾ってやるんだ!」と瞳をギラリと光らせたものだった。
時は流れて21世紀、元少年の買った東京のマンションには、応接間も大した飾り棚もなく、きわめて実用的なスペースしかなかった。スペースが無いから置物もなかったっすよ。
その元少年が突然アジアの広々マンションで暮らすことになり、飾り棚に囲まれて生活することになった訳です。少年の夢ついに実現かと思いきや、飾り棚の使用権は少年の手にはなく、妻に完全に掌握されてしまい、元少年の瞳はドロリとくすんでしまっています。
しかし、きれい好きな妻は、いい仕事をしてくれてます。私は満足です。はい。
ということで、必要以上にあるアパートの中の飾り棚の写真をご紹介します。ていうか、棚の写真ではなく、棚においてあるものです。妻は、基本コンセプトを「花」に決めたようです。
では、そのギャラリーをご覧下さい。
こんなにいっぱいのフラワーアレンジメントはどえらく大変じゃないの?という心配は無用です。内のお花は全部造花です。写真ではわからないでしょうがタイの造花はほんとにイケてます(&生けてます)。触ってみないと本物かどうかわからないほどで、メンテナンスフリー、半永久使用可という点において圧倒的に生花を駆逐する勢いです。うちの家族内だけかもしれませんが。しかも日本の高品質造花の数分の一の価格です。
(ということで、忘れぬように、オチです。)
かくして、少年の夢はバンコクで花開いたのであった。チャンチャン。
(今日はこれが言いたかっただけです。すいません)