さて、しばらくだがいよいよこのシリーズも最終回に突入する、というか無理にでもしてしまう。しょうも無い話を4回に分けて、しかも1ヶ月近くかけてどーすんだよ、と思う。よって、はしょりましょう。
2代目運転手ペットさんはパタヤでの酔っ払い居眠り運転事件の後、結構反省しまじめになった。もう、勤務中には酒は絶対飲まない、という。良かろう、と例の酔っ払い運転事件の判決はパタヤ出張手当を差止め、本人の希望によりそういうことにした。その後けっこういい感じになってきた。ただ、かーちゃんはパタヤでの事件を聞いてしばらくはちょっと運転がスムーズでないと飲酒を疑っていたがいつのまにか安心して乗れるようになった。
そして、ある日またアレがきた。「旦那さん、ちょっとお話が・・・。」である。大体、この切り出しで「ちょっと」ですむことはまずない。まさか、辞めるんじゃないよな、来週とか言わないよな、と少々びびりつつ話を聞いた。図星だった。しかもあさってまで、とか言っている。月末まであと1週間もない。なんでそうなんだろう。普通だったら、月末まで働くだろう。また急に辞めるって言って次の運転手どうするんだよ。もう、どいつもこいつもトホホだなぁ。
すると、また言う。「私の代わりの人でいい人がいます。その人があさってから来れますから。」どうしてあなたが後任者を勝手に決めるか、私は雇用主で家族の命を預ける運転手を選ぶ時には慎重にしたいじゃないか。時間かけたいじゃないか。比較検討もしたいじゃないか。もう、トホホだなぁ。
力なく押し切られ、3代目ココさんが登場した。これはまた、調子のいい人間でおしゃべりだ。日本のグループサウンズ時代にもてそうな顔をしている。おおむね機嫌よく元気よいのだが、時々チンピラくんのように暗く怖く近寄りがたい顔をする事がある。キレやすい30代という感じ。気に入ったのは彼の親父さんが同じアパートの西洋人家族の運転手をしていて、駐車場が2つ隣で、すなわちいつも親父さんがそばにいるのだ。アパートのすぐそばに両親と自分と一緒に住んでいる。これは便利で安心。親父の前で悪い事はしないだろう。何かあれば親父にチクれは大丈夫だろう。などと思った。今、現役で働いているのだが、実はかーちゃんは、ココさん替えて、と言っている。道をぜんぜん知らないのだ。しかも本人は堂々と知っている、という気でいるのが困る。しかも英語はほとんど通じないので、その勘違いを忠告する事ができない。カーちゃんは何度か友人を乗せた際に簡単な道で迷ったり行き過ぎたりで面目を失ったそうで、もー頭きちゃう、替えて、となってしまった。しかし、タイに来てタイ語で行き先や道順が言えないこちらにも責任はあるだろう、ほとんどが何度もかよう場所なんだから2-3回行って憶えてくれたらそれでいいじゃないか、とも思うが、確かにフラストレーションはたまる。有名なホテルとかにでも、こちらが逐一指示しないといけないのだ。つまり眠れないのだ。タクシーの方が快適なのだ。そして本人はそれを全く気にしてないのだ。大丈夫大丈夫わかりますわかります、といってすぐにあれれ、間違いました、ここは何処でしょう、とか笑いながら言うのがいらつかせる。
そこで先日、ついに注意する事にした。
会社の若い人間を呼んで、事前に英語で状況を説明し、ココさんにタイ語で今後改善してもらうようにうまく伝えてくれ、とお願いした。改善要求項目は3つ。
1)一度行った所は次からは道順を覚えるよう努めなさい。
(昨日行ったばかりの所に行くのに迷うな)
2)出発する前に道順がわかるか、どう行くのか確認してから出発しなさい。
(こちらが行き方が解っているのかどうか不安な状態で動き出すな。運転中は話をちゃんと聞けない体質のようだから、エンジンかける前にきっちり道順確認しろ)
3)アパートの周りのエリアの主要な道をきっちり勉強しておいてほしい。
(せめていつも走っている近所のエリアに何がどこにあるかはきっちり覚えておけ)
これをタイ人社員が私同席のもと通訳としてひとつづつやさしく丁寧にタイ語で彼に伝えてくれた。わたしのタイ語と彼の英語ではこれをうまく伝える事は不可能だったからだ。
さて、するとどうでしょう。彼はいきなり不機嫌な顔になり、「いーですよ、そんなに気に入らないんだったら今月でクビにしてくださいよ。わたしゃ辞めても平気ですぜ、ふん。辞めましょか、辞めりゃいいんでしょ。」
おいおい、逆ギレかよ。オメーはまったく日本の中学生か、30越えてよぉ。
しかしさすが、わが社の営業部員、「いやいや、この人や家族は皆君に続けて働いて欲しいんだよ、好きなんだよ、だからクビだ!って言うんじゃなくて、道を覚えてね、って言ってるだけでしょ。道を覚えればそれだけですむんじゃないですか、そんなにむくれないで、ねっ、ねっ。」とうまく丸め込んでくれた。
彼は相当な自信過剰、自己分析欠如で、これまでの多々ある明らかな道間違いの事実にもかかわらず、「俺は道を知らないわけじゃない、現にいつも目的地に到着できているじゃないか、到着しなかった事は一度も無い。」と開き直る。そりゃそうだろう、道を間違いかけた所でこちらが後部座席から右折だ左折だと教えてやってるからだろう、しかも遠回りして遅刻して到着するのは運転手として失格だ、と声を荒げたかったが、「辞めりゃいいんでしょうが。」のセリフが不愉快なので、穏便に穏便に今後道を勉強してもらう事をお願いした。最後には「OK、OK。ワカリマシタヨ。」と一応決着した。
その日の夜、客との会食の帰り、右車線に行け、と言ったのに、大丈夫、こちらからでもいけます、とか自信を持ってこちらの指示に反し、案の定どえらい遠回りをした際には、さすがに、小声で情けなそうに謝った。
ちなみに通訳を頼んだタイ人社員は、彼との話の後私にこういった。
「彼は典型的タイ人の反応でしたね。タイ人は得てしてComplainすると、反省せずに反抗、反駁する人が多いんですよ。話してた印象ですが、早めに次の運転手、探したほうがいいですよ、言われたとおりに道を覚えることはまず無いでしょうからね。」
つくづくトホホなのだが、私たち家族はいまでも辛抱強くココさんの後ろから、「次を右、まだ右車線へ入っちゃダメ、ちがう、反対反対」とか片言タイ語で叫び続ける日々を過ごしている。(完)
masaminさま。
こちらのページは、誰に読まれているかわからないので個人連絡用に使うのはやめてくださいよ。
たとえばBangkokの運転手事情について知りたい人が、Googleで「Bangkok 運転手」を検索するとこのサイトがトップに出てきちゃうんですから。まったくGoogleってやつは、役に立つんだか立たないんだか…。
さらに加えて、「隠し持ってきて」とか、タイからの密輸入者だと疑われるとまずいじゃないですか。
ということで、正しいお土産を持って帰りますので、お楽しみに。
投稿情報: ttokumo | 2003-06-19 16:15
おひさしぶりです。
来週久々お帰りですね~。
お会いできるのを楽しみにしています。
おみやげは、こぶみかんの葉っぱとタイのお酢でお願いします。できたら生パクチーも隠し持ってきてください。
投稿情報: masamin | 2003-06-19 12:43
5ヶ月ぶりに来週日本出張します。
今回は赤坂に行く時間が作れそうですので楽しみです。
たっぷり、生トークをいたしましょう。
投稿情報: ttokumo | 2003-06-17 10:07
トクモさん、相変わらず小気味のいい文章ですね。
ほんと隣の席に座ってるみたいな感じ。
あぁー、ほんと定期的にトクモさんの話がNVDで出るんです。はやく生トクモに会いたいっ!(笑)はははー。
投稿情報: wyuki | 2003-06-16 20:11